神経症とは、心理的な原因によっておこってくる心身の機能障害です。
神経症の症状には、
心臓神経症、胃腸神経症などのように身体的な不安を主とするもの、
対人恐怖症、場面恐怖症などのように社会的な場面での緊張不安を主とするもの、
不潔恐怖症、不完全恐怖症などのように強迫観念を主とするものと、
さまざまな形がありますが、共通する特徴は強い不安と緊張です。
精神病とちがうのは、神経症にかかった人には、症状に対して「これではいけない」との葛藤があり、なんとかして治したいとの強い意欲があります。
また、症状以外での現実検討能力は保たれていて、「人には知られたくない」と表面的には普通の生活を送っている場合も多いのです。
しかし、一方では強い不安のため、電車に乗れない(心臓神経症、胃腸神経症)、
会合や会食に出られない(対人恐怖症、場面恐怖症)、
何回も確認したり、外で買い物ができない(不潔恐怖症、不完全恐怖症)など、
日常生活に支障をきたしている部分もあります。
神経症の特徴
1.心理的機制によっておこる。
2.おこる症状は機能的なもの(器質的病変をもたない)。
3.症状は一回だけではなく、慢性的に認められる。
4.さまざまな症状があるが、不安・緊張が共通して認められる。
5.本人に葛藤・治療意欲があるが、不安・緊張のため回避的な行動も認められる。